その一方、デジタルだけの味気なさを感じることも少なくない。
講演会や勉強会も、1~2時間ほどあればまだよいが、それ以上になると疲れてくる。

   コロナ禍の始まりのころ、1日かけてオンラインで講義をしたことがある。
物珍しさも手伝い最初は快調だったが、話をしているうちにだんだんと疲れがたまってきた。

   1日の終わり近くになると、体が疲れでいっぱいになったような不思議な感覚になってしまった。
人と交流している時、私たちは単に言葉をやりとりしているだけでないと思い知った。

   その感覚を言葉で説明するのは難しいが、話し合っている時。
言葉以上のその場で共有している空気感が大事なのだと思う。

   そういえば、一時話題になったオンライン飲み会も一気に行われなくなった。
息をは吐き、息を吸う、そうしたやり取りを通してお互いがつながりあう体験の大切さを改めて感じている。

    ( 日経 こころの健康学 より 「直接会って交流する意義」 )