国家の債務は、資源の再分配を強制する。
これまで日本の政治家は金利が低いため、代償を払うことなく政府支出を増やせた。

   しかし金利のある時代には、政府が利用できる資源は縮小する。
この資金不足が、創造性と動物的本能をもたらす。すでに、証拠に基づく政策立案、公的資金の厳格な監査。

   政府融資の削減が、民間セクターに新たなチャンスを生み出している。
そして地政学上の問題が、国民の志向と野心の目覚めを迫る。米中が対立するほど日本の重要性は低くなる。

   これを防ぐ唯一の道は日本が強くなり、民間が自立することだ。
外圧こそ本能を目覚めさせる極めて強力な機会である。

   だから私は日本に対して楽観的なのだ。政府にはもはや選択肢がなく。
かつて小泉純一郎氏が提唱した「民間でできることは民間がやる」という方針を実行せざるを得ない。

   経済活動における最重要資産である人的資本がより強力になり、構造改革に至る。
日本の指導者は、セイの知恵を積極的に取り入れるべきだ。

   構造改革を加速し、新たな日本をつくるのに、これほど好都合な環境はない。
次期首相が真に「国民の意欲を喚起する」ことを強く願う。

           ( 日経 エコノミスト360°視点 より  )