お客様は神様です。昭和の国民的歌手、三波春夫さんがステージ上で語っていたという伝説のフレーズは。
その後、かなり誤解されて今に伝わっている。

  客の言うことは神にも等しく絶対である、故にサービスを提供する側は。
聞き入れるのが使命である、というように。

  ご本人の思いは全く違った。
オフィシャルサイトによると、ステージで完璧な芸を披露するには神前で祈る時のように。

  雑念を払い、澄み切った心でなければならないとの思いから、聴衆を神様にたとえたという。
それがいつの間にか客の迷惑行為、カスタマーハラスメントを容認・助長するような文脈で定着してしまった。

   (  日経  春秋   より  )