新任の中日・和田一浩打撃コーチの教え方が、シンプルでいい。
「選手はとにかく(バットを)振れ、と言ってます」。
結果を恐れず、バットを強く振ること。打撃の極意はそれに尽きる。

和田コーチの現役時代がそうだった。
目いっぱいスイングし、右打者としては飛びにくい右中間にも放り込んだ。
相手投手にとって、これほど怖いものはない。

右打者では歴代7位の通算3割3厘の打率を誇り、319本塁打の和田コーチが。
西武で定位置を得たのはプロ6年目、30歳のとき。超が付く遅咲きだ。
最初は打球が飛ばなかったというのが信じられないが。
初めから何でもできた人より、苦労人の方がコーチには向いている。
人の気持ちがわかると思うのだ。
( 日経 悠々球論 より  )