「想像力は頭の中の働きだと思われがちですが、そうとばかりは言えません。
実際に行動することで他者の痛みが分かり、見えないものへの想像を働かせられるようになる。

   想像力は感動体験とか生活感覚の中から生まれてくるものです。
それがない人に想像力を求めても無理です。」

   「私は若いころ、建築を勉強するために海外を放浪しましたがその時。
戦場からまじまじと水平線を見た。

   あの感動はいまだに忘れられない。
頭では分かっていたけれど、自分の目で見た水平線は大違いでした。

   感動を伴う経験をしなければ、想像力など身につきません。
もちろん、実際に体を動かすことに限らず、読書や映画などで感動することも大切な経験となります」。

    (  日経  インタビュー領空侵犯 より  建築家 安藤忠雄  )