次第に筋肉がこわばり、低下していく難病の筋強直性ジストロフィーと39歳で診断された妹。
籏野あかね「治療法がない」とだけ告げる医師に絶望したが。

   英国の医師が書いた「患者と家族のためのガイドブック」を読み。
「合併症は直せるかもしれない」と望みを持った、。

   妹は懇意にしていた整形外科医に大学病院を紹介してもらった。
その大学病院の医師も「専門の医師がいない」と断ったが、妹は「根治出来ないのは知っている。

   合併症の対処をお願いしたい」と訴え、遺伝子検査儲けて診断が確定し。
適切な医療を受けられるようになった。

   妹は高脂血症にもなっていた。その治療薬は筋強直性ジストロフィーに悪影響を与える可能性があった。
医師は「いいかげんなことはできない」と言い。

   国立精神・神経医療研究センター病院(東京・小平)へ紹介状を書いた。
自宅から電車で2時間半。行くしかなかった。

   幸運にも診察した神経内科医の大矢寧医師は、英国医師が書いたガイドブックの翻訳者の一人だった。
病気や合併症のリスクなど詳しく説明し、管理栄養士による栄養指導を受け。

   循環器科で不正脈の診察もできた。腰痛や膝痛を訴えると整形外科やリハビリ科も受信した。
妹は「根治しなくても、できることもある」と前向きになった。

       ( 日経  向き合う より  平井 一夫   )