対戦相手の研究にも抜かりはない。
五輪は「自分の柔道を最後まで貫いた方が絶対に勝つ」。

たとえ相手のペースになる場面があっても、すぐに自分のペースに戻すことが大切。
そのため「相手に対して20~30通りの戦い方を持っておく。
試合で自然に出るように練習しなくてはいけない。残りの期間で試してほしい」と助言

五輪ではメダル候補があっさり敗れ「魔物がいる」と言われることがある。
谷さんは「魔物はいない」と断言する。初出場の1992年バルセロナ大会で銀メダル。
   続く96年アトランタ大会は金メダルの最有力候補として畳に上がった。
結果はまたも銀メダルとなり落ち込んだ。「魔物」という声もあがった。


大会後に映像を見ると、準決勝で最大のライバルに一本勝ちし「一瞬だが優勝したように喜び。
気持ちが途切れていた」と敗因が分かった。

決して「魔物」ではなく気の 緩み。谷さんは次のシドニー大会では「どんな場面でも集中力を切らさず。
勝つという強い気持ちで臨んだ」と語り、金メダルにつなげた。

      (  東京新聞 より  )