この日の起用に、栗山監督は運命的なものを感じていたらしい。
先発候補4人の並びや対戦相手を考え合わせると「自然に。(何かに)導かれるというか」。
震災被害の悲しみは時がたっても変わるものではない、としつつ。
「一瞬だけでも元気になったり、喜んでもらえたりすることをしなきゃ」との思いを明かした。

  佐々木も、その期待に応えた。特別な感情があるはずの国際大会デビューでも、自己を保ち。
球数にかかわらず、目の前の一球に集中した。
「いろいろあったが、今日、自分ができることをやって、このマウンドに立てたことに感謝している」。
その感謝には「(野球に)夢中になれる時間があったおかげで、大変だったとき、つらい時も頑張れた」
と2年前に語ったように、野球への感謝も含まれていただろうか。
  (  日経 3月11日  朗希「特別な日」より  )