大谷翔平と藤井聡太は日々、徹底的な準備と振り返りを当然のように重ねている。
現状維持を良しとしないからこその「気づき」があり、ハイレベルな戦いの中でその瞬間も楽しんでいるはず。

我々はとかく物事を完璧に追行することを目指しがちだが、彼らの姿勢は、その作業や昼夜終了後に。
後悔の気持ちを持つことが決して悪くないと教えてくれる。

  人工知能(AI)の浸透に対し、「もう一度人間性や野生を取り戻そう」という動きがある。
時にデータを度外視した大谷のプレーや、藤井のAIを超えたと評される勝負手には。
豊かな感情が伴っており、人間の本来の力を信じているからこそ生まれるパワーが宿っている気がする。

    (  日経 転換2023より  中竹 龍二  元早大ラグビー部監督  )