「鈍」と言っていいかもしれない。そんな選手が私は大好きだ。
歩みは遅くても、これというものをつかんだら、とんでもないことをやる。それが鈍の魅力だ。

  西武、中日で活躍した和田一浩が、そのタイプだった。
大学、社会人を経て、即戦力として入団したが、レギュラーになったのは6年目、30歳の年。

  こん棒を叩きつけるようなスイングを我が物としてからはもう盤石。
黄金時代の中日に欠かせない選手となり、2000安打も達成した。

  鈍で遅咲きの選手ほど、きれいな花をつける。
あとは球団や監督が、その花をイメージし、待てるかどうか、という想像力の問題。

  DeNAの三浦大輔監督は筒香をじっくり起用し続けているから期待はもてる。

 

     (  日経  悠々球論 より  )