3密を避けてソーシャルディスタンスを。ステイホームでクラスターを抑えましょう。
聞き慣れた言葉を耳にする機会はめっきり減った。振り返れば、マスクの買い占めがあり、
感染者や医療従事者への深刻な差別があった。行政や医療の欠陥だけでなく。
私たちが抱える病根も浮き彫りになった事実を忘れてはなるまい。

「病むことにより、今までよく知らなかった自己がわかる」。
100歳を超えてなお診療を続けた医師、日野原重明さんの言葉である。
だから「病もまた益なのだ」と説いた。卓見は社会にも当てはまりう。
3年余りの長患いから何を学び、益とするか。教訓は多い。
回復を静かに喜びつつ、もっと健康な体作りに励まねば。
(  日経  春秋より  )