東京大駒場キャンパスで10月、電動車いすに乗った1年生の渡部耕平さん(18)が。
化学物質を扱う実験に取り組んだ。学生1人が傍らにつき、手が届かない実験器具を取るなど補助をした。

   手足を動かしにくいウルリッヒ型先天性筋ジストロフィー患者でもある。
渡部さんの進学先探しは簡単ではなかった。

   ある私立大学を見学した際は教員に「実験は自分の手でやらないと意味がない」と告げられた。
それでも「患者の視点を生かし、遺伝子治療の研究に携わりたい」との夢をあきらめず。

   勉強に励んで東大合格を勝ち取った。東大も支援を強める。
4月に多様性包摂共創センターを新設。障害学生らの増加に対応し、補助する学生を150人ほど確保する。

   同センターの熊谷晋一郎教授は「公平な社会にはそれ自体に価値があり。
様々なニーズが可視化されてイノベーションのリソースにもなる」と語る。

   ( 日経  教育進化論 より 「障害者進学、10年前の4倍」 )