ドイツ社会民主党(SPD)のショルツ首相は緑の党とともに3党連立を組んだ。
自由民主党(FDP)のリントナー財務相を解任し、連立は一気に崩壊した。

   首相信任投票の否決が濃厚で、来年2月23日の連邦議会(下院)の選挙が事実上決まった。
解散による前倒し選挙は20年ぶりだ。

   原因はショルツ氏らが求めた経済対策などの追加支出に必要となる債務を抑えるルールの緩和を。
FDPが拒否したことだが、より本質的には独経済の不振で有権者の支持が連立政権から離れた流れが大きい。

   「選挙で一番喜ぶのは極右の『ドイツのための選択肢(AfD』だろうと。
独政治が専門の板橋拓己東大教授は明言する。

 反移民などで過激な言動を振りまく勢力が、SNSを使い「若い人など全世代にアピールしている」という。
中道右派のキリスト教民主同盟(CDU)の第1党奪還が有力視されるが、多数派の確保はいばらの道だ。

   「理性に対して感情の噴出が勝る状態になった」と。
世界の選挙の潮流を分析するのは谷口将紀東大教授だ。

政治資金問題と生活苦の怒りが自民党と公明党を少数与党に追いやった。

   右派、左派、の双方で人気取りの政策を志向する政党が少しずつ伸び。
「日本もついにポピュリズムの政党が芽を吹いてきた」という。

     (  日経  核心 より 「”エゴノミー”に傾く民意」 )