若手がアピールを続けていた沖縄・宜野座キャンプ。
1、2軍合同の紅白戦で岡田彰布監督の目に留まったのが、育成ルーキー・福島だった。

  50メートル5秒8の俊足を武器に盗塁を決めアピールに成功。
打撃でも俊足を生かした内野安打を放つなど、持ち味を十分に発揮した。

少ないチャンスをものにしたルーキーに岡田監督はソフトバンク・周東の名を挙げながら。
「本当の走り屋。支配下の可能性はあると思うよ」と絶賛。

  “足のスペシャリスト”として、開幕1軍入りに最も近い新人として期待を寄せられていた。
だが、プロの世界は甘くなかった。

  キャンプ中に1軍昇格を果たすも、練習試合ではスタートが切れず。
2月25日・中日とのオープン戦で空振り三振に倒れ2軍降格が決定。

右も左も分からないまま、結果だけを求めた日々を「今、思うとそこが自分のなかで間違っていた。
もっとチャレンジするべきでした」と振り返る。

「あの時は自分に武器が一つもなかった。洞察力、投手の癖、スタートの切り方一つにしても。
ただ、目の前のことで精一杯。悔しかった」。

2月下旬に2軍降格が決まり、帰阪する際の那覇空港では筒井壮1軍外野守備走塁コーチから。
「お前なら大丈夫。頑張れるから」と言葉を受け、折れかけた心を取り戻した。

  ( Full Count より )