さて生物学者のダーウィンは「最も強いものでも、最も賢いものでもなく。
生き残るのは変化するものだ」といっています。

  つけ加えるなら、その変化には善いも悪いもなく、変わること自体に意味があるのです。
というわけで、肌ざわりが違う候補作を読んだとき、僕はいつも変化の度合いを加点材料としています。

  小説の未来はきっと変化の先にあると信じているからです。
あなたは若者の欠点ばかり見ているのではありませんか。

  でも、変化自体には善も悪もありません。
自分の基準を少し緩めて、若者や新しいカルチャーの変化を外から。

  珍しい生き物の進化の過程だと思って、気楽に観察してみませんか。
次の時代をつくる若者たちが咲かせる鼻をのんびりと愛でる。

  時にはその変化に力を貸す。それくらい余裕のある大人になりたいものですね。

     (  日経  なやみのとびら より 「若者キライな自分にイライラ」 )