従来型のスパルタや根性論に背を向けた指導の源流は、学生時代の留学経験にある。
小学生の頃に競技を始め、中学卒業後に語学習得を兼ねて米国の高校に進学した。

   「試合で完敗した選手がコーチから『あの時のタックルは良かったぞ』と褒められていた。
日本なら絶対に怒られている」。
選手のモチベーションを高め、才能を伸ばす指導に感銘を受けた。

  帰国後は日体大に進学。卒業後に指導者を志し、群馬大学大学院に進んだ。
博士課程では医学系研究科を洗濯し、脂肪細胞や短期間の減量が動脈硬化などに与える影響を学んだことが。
女子選手の力を大きく引き出す土台になった。

  レスリングでは食事や水分を大きく減らし、短期間で6~7㎏減量する選手が少なくない。
海外勢に体格やパワーで劣らr無いようにと、適正体重よりも下の階級で戦おうとする選手が多いためだ。

  ただ、計量は試合日の朝に実施されるため、リカバリーに失敗すれば。
本調子でマットに上がることは困難になる。

      (  日経  Paris2024 より 「脱・スパルタ 医科学の知見」 )