キーウ中心部のマイダン(独立広場)の芝生は戦死者を追悼する旗でいっぱいになった。
家族や知人の名が書かれた旗の前で泣き崩れる人もいる。

   東部ルガンスク州の前線から10日間の休暇でキーウに戻った歩兵ミハイロさんは。
帰還するとすぐその足でマイダンを訪れ、同じ部隊の兵士の旗を探していた。
   この3月で多くの戦死者や負傷者が出ており、部隊の人数は96人から36人に減ったという。
10代の2人の娘を残して22年に軍に志願した時から彼は覚悟を決めている。

「前線に立つまっとうな兵士は皆、領土を解放するまで戦い抜くつもりだ」と話した。
そして無数の旗に目をやりつぶやいた。

「でなければ彼らに何と説明すればいい?」。

      

      ( 日経 国際  より 「これまで何のために」 )