外交面でも関税を強力な武器だと信じるトランプ氏は、これを存分に使い各国に譲歩を迫るだろう。
標的の筆頭は中国で、貿易戦争の危険は高まる。

   ただ両国とも深刻な対立は望んでおらず、どこか手打ちを探るはずだ。
トランプ氏は日本にも防衛費の増額などを迫るに違いない。

   だが日本が過剰反応せず、冷静かつ巧みな外交を心がければ。
長い歴史に培われた日米関係はそう簡単に揺らぐまい。絶望は不要だ。

   日本の大きな問題はトランプ氏が日本の何を求めるか、ではない。
彼の他国への対応が日本の国益に反した場合どうするか、だ。

   日米の利害は重なる面も多いが、ぴたりと一致はしない。

     ( 日経 私の履歴書 より ジェラルド・カーティス )