同法による障害者らの強制不妊問題で、国会が初の調査報告書をまとめた。
約2万5千人が手術を受け、6割超で本人の同意がなかった。最年少は9歳の男女。
関係施設へのアンケートでは「児童期に実施された例が多い」との回答もあった。
残された記録が十分でない点も考えれば、被害実態はさらに広く、深いはずだ。

  「こんな法律が平成8年(96年)まであったことに驚いています」。
若手職員だろうか、福祉関係者の率直な感想も報告書にはある。
そうなのだ。後から見れば異様でも、渦中では見過ごす。
メディアを含め、つねに省みなければならぬ。
多数者が「要不要」で少数者を置き去りにする。
前世紀の昔に済んだ話ではない。
              ( 日経 春秋 より  )