一度始まった戦争をやめるのは難しい。
「戦争はいかに終結したか」(千々和泰明著)によれば、戦争の終結とは「紛争原因の根本的解決」と。

   「妥協的和平」のジレンマのなかで決まるという。
言い換えるなら「現在の犠牲」と「将来の犠牲」のどちらの方を我慢するか、なのだそうだ。

   第2次大戦は根本型、今も休戦が続く朝鮮戦争は妥協型に入る。
てんびんにかけられるのは領土や資源、そして最大のものは人の命だ。

   今消える命を減らすか、将来危うくなるかもしれぬ命を救うために戦い続けるか。
冷静に判断できるのが戦時のリーダーらしい。

     (  日経  春秋 より  )