「私自身の症状は変わらないのに、なぜ急にこんなにお金がかかるの?」。
疑問が強くなった私は法学部に進学していたこともあり、「弁護士になって、自分を原告にして。
憲法訴訟をしよう」と考えるようになった。

  国を訴えるならば弁護士に依頼すればいい。
けれど「難病患者の医療費が高すぎる」という問題は相手にされないと思い、自ら弁護士になる決意をした。

  ちょうど大学卒業直後の04年度から法曹人口を増やすための法科大学院が創設された。
1期生としてなんとか滑り込み、司法試験の合格を目指した。

  2年で終了した後、司法試験は2年連続で落ちた。
病気の影響で長時間勉強する体力はなかった。

  がんばりすぎると寝込んでしまう。時間絵を決めて勉強するしかなかった。
当時3回しか受験のチャンスはなかった。「たぶん落ちるだろう」と考え、企業や公務員の就職活動もした。

  このころ新薬の治療が可能になり、3か月に1度の治療で請求される金額は18万円。
「医療費を稼ぐだけで人生が終わってしまう」と危機感を抱いたが08年9月になんとか合格でき。
弁護士への道が開けた。。

    (  日経  向き合う より  「難病抱えながら弁護士に」 青木志帆 弁護士 )