失敗で何を学ぶかも重要だ。
「失敗したらさっさと認め、何を学んだのかまで周囲に話してしまえ」。

   ジョージは社内でこう勧めている。失敗を認めない風土は危うい。
「深刻な問題がある」。1990年代に金融危機が日本を襲う前、邦銀のCEOに切り出された。

  「問題って何ですか?」と私。「実は大量の不良債権がある」と彼。
衝撃を受けた。その後の自滅は歴史が示す通りだ。

   失敗に早く向き合って治せば軽傷で済んだのだ。
ゴミをじゅうたんの下に隠し続けると、じゅうたはゴミで膨らみ掃除も難しくなる。

   失敗を容認しないと、企業の成長に必要なイノベーションも起きない。
ジョージは「悪いアイデアより悪いのがノーアイデアだ」と警告する。。

     ( 日経 私の履歴書 より  ヘンリー・クラビス )