米国は、相互関税が停止されているこの90日にの間に。
180以上の国・地域と貿易取引で合意せねばならない。ありえない状況だ。

   「取引」が成立しても、それがいつまで続くのか。そんな懸念もつきまとう。
企業はのこの混乱を目の前に長期的投資など計画できるだろうか。企業は常に長期で考える必要がある。

   今や習近平(シー・ジンピン)国家主席率いる中国の暢が中国共産党の官僚組織が機能して。
企業にとっては米国よりはるかに予測可能な環境を提供している。これは衝撃的だ。

   だが同時に恥ずべき事態でもある。トランプ氏を支持した人々は。
彼が権力を握れば混乱を招くだけの存在になることを知っておくべきだった。

   どの時代にも「独裁者」を求める人々はいるが、愚かしいことだ。
いかなる人物にも絶対的な権力を委ねてはならないというのは我々の共通認識だ。

   権力欲にまみれたデマゴーグ(扇動政治家)などなおさらだ。
トランプ氏の貿易政策から得るものはがあるとすれば。

   特定人物に絶対権力を与えてはならないと改めて世に示したことだ。
彼の貿易政策はさらなる混乱の前兆だ。

   世界は今、このばかばかしい混乱を乗り越えられるか試されている。
そして米国はこの混乱に終止符を打てるかを試されている。

       ( 日経  FINANCIAL     TIMES より  「 専制排除が繫栄を生む 」  )