北米・南米などに暮らす沖縄出身者、沖縄にゆかりを持つアーティストの顕彰に力を入れるのが。
2007年に設立された沖縄県立博物館・美術館。

   21年の「琉球の横顔 描かれた『私』からの出発」展では。
サトウキビ栽培の労働者としてハワイに渡った祖先を持ち。

   「混血ウチナーンチュアメリカ人の四世」を自称する米国出身のローラ・キナ。
祖父は中国人、祖母は台湾人で沖縄出身、現在は台湾で製作する胡宮ゆきならを紹介した。

   「ルーツが2つも3つもあるアーティストの作品と向き合うことで。
アイデンティティーとは自分で決めるものだということに気づかされる」と主任学芸員の豊山愛氏は言う。

   「交流を基軸とし、ほかの文化を借用する」ことから生まれるアートに着目するには。
沖縄を拠点とする美術館ならではの役割だろう。

       ( 日経  文化 より  「アジアつなぐ重曹的視点」 )