執念というものの形を、かつて中日の黄金時代を支えた名内野手、荒木雅博氏に見た。
捕手から投手への返球ミスに備え、毎回守備位置からカバーに走る。

   プロではまず起きない事故だが、荒木氏は言っていた。
「5年に一度あるかどうか。いや、ユニホームを着ている間、1度も起きないかもしれないけれど。

   現役でいる限り続ける。5年に1尾、100度に1度のために何かを続けられること。
それ自体、得がたい才能に違いない。

     (日経  逆風順風 より )