ミルクはユーラシアの牧畜民の生存の要だ。家畜は限りある資源。
殺して肉にしてしまえばそれで終わりだが、乳を搾って飲み、さらに加工して保存することで。

  通年にわたって食料を確保できる。
乳製品は人間と家畜が共存する社会システムの原点になっている。

  数百頭の群れには少数のヤギと、多くの羊がいる。
ヤギは先に行きたがる。羊は後についていきたがる。習性を利用して、全体を管理しているのだ。

  このような合理性にも興味をひかれた。
植物の調査から、乳製品を軸にした「遊牧民の生存戦略」に研究テーマが変わっていった。

  (  日経 文化 より  食べて撮って世界の乳製品 )