闘病経験は、学びたいという気持ちをよりかき立てた。
「同じように苦しんでいる人のために、自らの経験を役立てたい」。

  会社勤めの傍ら、47歳で放送大学に進学した。
乳がん手術後の発汗と下着について研究し、卒業論文にまとめると教授らの目に留まり、学会で発表するまでに。

  大卒資格を得て、子どものころからの憧れをかなえた喜びがこみ上げた。
「やりたいことは何歳からでも遅くない」

  この成功体験が、まったく畑違いの道を開くことになる。
64歳で勤めていた造船会社を退職後、舞台鑑賞などを楽しむ日々だったが。
偶然目にした高齢者劇団に心を引かれた。

    (  日経  Answers より  古希過ぎ第2のキャリア  )